Umami, うま味, 旨味/日
(うまみ)

 4つの基本的な味、甘味、塩味、酸味、苦味に続く、5つ目の基本味。1908年、東京帝国大学の池田菊苗博士により見いだされ命名された。古代ギリシアの哲学者デモクリトスが示した基本4味以来の発見であり、現在の生理学では基本5味のひとつとされる。グルタミン酸、アスパラギン酸などのアミノ酸。イノシン酸、グアニル酸、キサンチル酸などの核酸構成物質のヌクレオチド。コハク酸やその塩類などの有機酸が混合され相乗効果を生み出す味を言う。

 1985年に開催された第一回うま味国際シンポジウムを契機に、うま味(英語表記=UMAMI)という用語が国際的に使用されることになり、更に2000年、マイアミ大学ニルパ・チャウダリ教授が、舌の味蕾にある感覚細胞に「うま味」を感知する「受容体/receptor」が発見されたことにより公式に認められた。

「うま味」物質を有する代表的な食品には、グルタミン酸やアスパラギン酸を多く含む昆布。他に鰯、熟したトマト、緑茶、白菜、玉ねぎなどがあり、チーズや生ハムなどは、熟成するにしたがいグルタミン酸が増加する。イノシン酸を多く含む煮干し、かつお節、その他に鯖や鯛などの魚類、牛、豚、家禽、ジビエなどの肉類。しいたけはグアニル酸を多く含み、貝類はコハク酸を多く含む。