フランス南部、ミディ=ピレネー地域、ロット県の県庁所在地。カオールはケルト時代より長い歴史を持ち、サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼へ向かう”ル・ピュイの道”の中継地ともなり、中世には金融業で繁栄した。カオールのワインはその独特な色から「黒ワイン」と呼ばれ、ヴァロワ朝第9代フランス王、フランソワ1世の時代には珍重された。フランソワ1世は、ミラノのスフォルツァ家に仕えたレオナルド・ダ・ヴィンチ(Léonard de Vinci/it)をアンボワーズ城に近いクロ・リュセ城に招聘したフランス最初のルネサンス君主とされる。クロ・リュセ城はヴァロワ朝第6代フランス王、ルイ11世がお抱え料理人エティエンヌ・ル・ルー(Étienne le Loup/fr)のために建てた。
カオールのワインは、マルベック種(Malbec/fr)を70%以上使用する事が定められ、ロット県内の45か村で生産される。マルベックには別名(シノニム/Synonym/fr)があり、コ(Côt/fr)、オーセロワ(Auxerrois/fr)とも呼ばれる。果皮が厚いために、造られるワインは色素の抽出量が多く、同時にタンニンやポリフェノールの含有量が高くなる。古典的な品種でボルドー原産。
よい造り手のカオールは、ブラックチェリーを思わせる一種独特な酸味と果実味に、カシスやブルーベリーを連想させる果実香に加え、タバコや甘草のアロマ、そしてきめ細かく力強いタンニン、重厚な口当たりで、この葡萄ならではの芳醇な個性が加わる。若いうちは濃厚で荒々しい輪郭を見せるが、熟成により滑らかになり、エレガントでふくよかな余韻が広がる。ある意味では情熱的、かつ男性的な味わいといわれる。カオール名産のフォアグラ、ローストやグリルした肉料理はもちろん、スパイシーなソースにも相性がよい。
●ラトリエ1959で召し上がれる生産者
・Franck et Jacques Rigal, Oltesse Cahors
・Château Pineraie, Cahors
●Appellation
Appellation Cahors Controlée
●Situation
Autour de la ville de Cahors sur les deux rives du Lot
●Lieu
Vire sur Lot, Soturac, Prayssac, etc
●Sol
Calcaire
●Superficie
4,200 ha (10,300 acres)
●Production
30 millions de bouteilles
Vin rouge uniquement
●Cépages à Cahors
Côt (aussi appelé Malbec)
Merlot
Tannat
●Type de vin
Vin rouge robuste
●Age
3 à 10 ans
●Millésimes (recommandés)
2006, 2005, 2000
●Arômes
Epices
Café
Fruits noirs
●Déguster avec
Cassoulet
Champignons
Couscous
Confit de canard ou d’oie
●Fromage et Cahors
Bleu d’Auvergne
Caussedou