ベアルン地方の小村ポーの対岸ジュランソンのワイン。アンリ4世が愛でたと言われる。
ロベール・J・クルティーヌの改訂した「ラルース料理百科事典」には「「プール・オ・ポ/Poule au Pot」のスープで有名なこの王がお生まれになった時、祖父に当たるナヴァール国王が、ニンニクのかけらでこの赤ん坊の唇をなぜてから、数滴のジャランソンのワインを垂らし込んだ。と、この王子は鳴き声もあげず、この美食といおうか、バッカス神の試みにものの見事に耐えたので、老王はいたく喜び、こ奴め、まさにベアルン生まれじゃわいと大声で言われたとのことである。」と記されている。
ピレネー山麓の起伏のあるガスコーニュ地方の丘陵地帯で栽培される、プティ・マンサン、グロ・マンサン、クルビュなどの葡萄が用いられる。A.O.C.は、ジュランソンと、ジュランソン・セックの2つがある。特に干し葡萄状になるまで遅摘み「ヴァンダンジュ・タルディヴ/Vendange tardives」された葡萄から造られる甘口ワインは、ソーテルヌに引けを取らないと言われる。