マロワール(Msroilles/fr)は、名もない修道士に帰せられ紀元960年に遡る。製法は全脂乳から作った凝乳を大きめに切り分け、放置して自然に脱水させ、加塩してから圧縮も加熱もしないで熟成させ、中身は柔らかく、外皮は塩水で洗い仕上げることで赤身を帯びた色になる。乳脂肪含有率は45%。
フランス歴代の君主、カペー朝(987〜1328年)のフィリップ2世(Philippe II Auguste/fr)。ヴァロワ朝(1328〜1589年)のシャルル5世(Charles V le Sage/fr)、シャルル6世(Charles VI le Bienaimé, le Fol/fr)、ルイ11世(Louis XI le Prudent, l’Universelle Aragne/fr)、フランソワ1世(François Ier le Père et Restaurateur des Lettres/fr)。さらにはブルボン朝(1589〜1792年)のフランス元帥、テュレンヌ子爵(Henri de la Tour d’Auvergne, Vicomte de Turenne/fr)、この時代の小説家、フェヌロン(Fénelon, François de Salignac de la Mothe/fr)らに愛された。
種類はマロワール・ソルベ(Msroilles Sorbais)が13cm、マロワール・ミニョン(Msroilles Mignon)が11.5cm、カール・マロワール(Quart Msroilles)が8cmのそれぞれ正方形に整形される。19世紀までは年に2回販売する事が定められていた。
<Recette de Tarte au Maroilles>
6 personnes
●Pâte
1 Pâte Brisée ou Feuilletée
●Garniture
1/2(360g) de Maroilles
●Appareil
100cc de bière brune ou blonde(コクのある修道院ビール)
200cc de crème fraîche
2 oeufs entiers
sel et poivre
*軽い口当たりにする場合は、マロワールを半量と
フロマージュ・ブラン(Fromage Blanc/fr)を同量にし
さらに生クリームの代わりに牛乳を用いてもよい。
*伝統的なタルト・オー・マロワール(Tarte au Maroilles Tradtionnelle/fr)には
アパレイユに、マスタード(Moutard/fr)と
ソース・ベシャメル(Béchamel/fr)のみを用いるレシピもある。