皮付きの三枚に下ろした魚の切り身を、火に直接、皮肌や身のぐるりをかざして霜をつくり、氷水で冷やす料理法。熱温があまり高くなく、炎がたつ藁火が香りもよいとされる。焼霜を施した切り身を平づくりなり、薄づくりで供し、鰹のような水分が多く、身も柔らかい魚に向く。焼霜を施した鰹料理は土佐作りという。
辻嘉一が最も美味しいと考えている土佐づくりが「辻留懐石傳書/向附」に記されている。「皮を焼く前に塩をふるなり。濃口醤油に30分ほど漬け込みます、これに焼霜をつけ、分厚く平づくりにして、生姜大根、果実酢をおとした濃口醤油、浅月のみじん、ケン大根少量を添えます」とある。